私たちは、ひとりひとりの健康と尊厳を守る、地域のための病院(コミュニティーホスピタル)をめざします。

Subject診療科目

肝臓内科Hepatology

診療時間

診療時間
肝臓内科 9:00~11:30 甲賀(啓) 小瀬 小瀬・甲賀(啓) 小瀬 ※10/31 休診
甲賀(啓)
寺部
13:30~15:00 甲賀(麻) 甲賀(麻) 寺部  -  -
15:00~17:00 寺部  -

当院は肝疾患診療連携拠点病院です。※厚生労働省「肝炎総合対策の推進」

日本肝臓学会認定施設

担当医

肝疾患と診療

肝疾患には、その原因別に、

  1. B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスによるウイルス性肝疾患、
  2. アルコール性肝疾患、脂肪肝、非アルコール性脂肪肝炎のように生活習慣に関係する疾患、
  3. 原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性肝炎のような自己免疫性肝疾患が含まれます。

ウイルス性の慢性肝炎から肝硬変へと進展するには数十年かかると推定されていますが、慢性肝炎ではほとんど症状はなく、肝硬変になって 倦怠感、食欲不振、さらに黄疸、腹水などの症状がでてきます。またその経過中には肝細胞がんが発生することもあります。

 

肝がんによる死亡者数が増えてきています。その肝がんの約90%はB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスの感染が原因です。

 

当院ではReal-time Tissue Elastography(特殊な超音波画像)により、肝生検(肝臓を針で穿刺して肝組織を採取する方法)を行わずに、肝臓の線維化の程度を評価することが可能です。

実際には肝疾患の多くは、検診や他の病気でかかりつけ医の先生方を受診した時に肝機能異常を指摘されて診断されます。しかし、原因や肝疾患の進行度などの詳しい検査になりますと、設備の整った専門医療機関での肝臓専門医による検査が必要になります。当院では最新の腹部超音波画像検査による肝疾患の進展度の評価(図1)や、CT、MRIによる肝がんのスクリーニング(図2)が可能です。

B型肝炎、C型慢性肝炎治療はなぜ必要か

  1. 肝硬変への進展を防ぐ
  2. 肝がんを防ぐ

大きくはこの2点が非常に重要です。

治療方法には大きく分けて原因療法と対症療法があります。

原因療法: ウイルスを体内から排除して完全治癒を目指す
インターフェロン、ペグインターフェロン
ペグインターフェロン / リバビリン併用療法
(B型肝炎に対する核酸アナログ療法)
対症療法: 肝機能を改善して肝炎の悪化を防ぐ
グリチルリチン配合剤(強力ミノファーゲン)
ウルソデスオキシコール酸 (ウルソ)
インターフェロン少量長期投与

 

C型肝炎に対する最近のIFN治療は数年前に比べ、多くの新しい治療法が承認され高い治療効果が得られるようになりました。インターフェロンの効きにくいジェノタイプ1型の患者さんで約50%、インターフェロンの効きやすいジェノタイプ2型の方で約90%でウイルスの排除が期待できます。最新の治療方法(従来のペグインターフェロン/リバビリン併用療法にテラプレビル内服を追加)ではジェノタイプ1型の患者さんでも約70%のウイルス排除が報告されています。

最後に

近年は肝疾患の診療・治療の進歩 により、B型肝炎に対しては抗ウイルス療法、C型肝炎に対してはペグインターフェロン・リバビリン併用療法が確立され、以前に比べて高い治療効果が得られるようになりました。肝癌治療も外科的手術、ラジオ波焼灼療法、カテーテルを用いた肝動脈化学塞栓療法、さらに最近では経口の分子標的薬が登場するなど多岐にわたっております。 しかし、それぞれの治療法の選択・適応は個人によって様々であり、患者さんがこの地域で適切な治 療を受けられるように、地域専門病院・かかりつけ医の先生方と共に努力することが肝疾患診療連携拠点病院としての当院の役目であると考えております。