乳腺炎について
授乳中の乳腺炎は出産後6ヶ月までが、最も頻度が高いです。出産後から積極的に母乳授乳のケア(おっぱいケア)を受けてください(かかりつけ助産師をみつけておくとよいです)。発熱、発赤、乳房痛、乳房のしこりができたときは、ご相談ください。診察および超音波で状態を判断します。乳汁がうっ滞しているだけなのか、膿がたまっている状態なのかを超音波で正確に診断したうえで、初期であれば抗菌薬処方で切開せずに対応、授乳をできるだけ痛みがないように続ける方法のアドバイスもします。
乳腺炎が進行し超音波検査で膿がある場合でも、できるだけ切らないで対応します。これは膿の部分に針を刺して膿の一部を吸引して外に出す操作(この時同時に培養もし一般的な細菌によるものか判断します)で、母乳授乳を続けながら切開しないで、乳腺膿瘍を治療する方法です(膿瘍の大きさが大きい場合は最終手段として切開せざるを得ない場合もあります)。
さらに、これから出産される方は、プレコンセプションケアとして妊娠する前に乳がん検診を受けましょう。妊娠中、また出産後は、超音波診断が難しくなりますが、妊娠前画像があることで判断しやすくなります。妊娠中・出産後の乳がんは見つかりにくく、比較的大きくなってから受診する傾向があります。乳房にしこりを感じたら、発見した時点で必ず一度は乳房検査(視触診・超音波検査)を受けましょう。